商品先物取引は、日本では東京商品取引所と大阪堂島商品取引所で行われている取引で、現時点で将来の一定の時期に価格が変動する商品の価格を予め決めておき、その売買を約束するものです。
対象となる商品は、代表的なものでは金や原油、古くから用いられている小豆などまで多彩で、相場が上がる事を期待して買う取引では、約束している時点での市場価格が買う約束をした金額を上回っていれば、買った後に売る事で上回った分の利益を得る事が可能になります。
一方で、相場が下がる事を予想しているなら売る事を約束する取引も出来、その時には売る約束をしている価格を下回っている時に現物を購入して売却すれば利益が得られます。
このように利益を生む可能性もありますが、もちろん逆に相場が動けば損失を生むリスクも存在する取引です。
こういった商品先物取引は、市場での急激な価格変動のリスクを管理しているという大きな役割も持っています。
それは市場全体への役割の他、商品などの現物取引を行なっている投資家や生産者にとっては先物取引も同時に行う事によってリスクヘッジも可能です。
例えば農業製品の場合には、収穫前に一定の採算額で売る契約をすれば、相場が上がった場合にその分の利益は得られないものの、相場が下がった場合の損失を受けるリスクがありません。
そのように商品先物取引は投資という側面だけでなく、市場における価格調整やリスクヘッジの役割も持ったものであると言えます。