有価証券の減損会計をする場合と方法

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企業は余剰資金の運用の為に、株式や社債、最近はトレーディング取引などを行い、何らかの有価証券を保有しているところが殆どです。
企業会計においては、これら証券類を保有目的に応じて分類し、異なる評価をしています。
例えば、値上がり益を期待して保有する短期売買目的の場合、時価評価をしその上昇分を利益に計上すれば済みます。

ところが、満期保有目的の債券、子会社や関連会社の株式のように長期的な保有を目指すものは、時価で評価せず取得時の価額で評価します。
但し、これらの有価証券が取得時の価額を大幅に下回り下落している場合は、経済的な実態を財務諸表に反映する必要が出てきます。

そこで、評価差額を損益計算書に計上し、価値下落後の価額を貸借対照表にも計上します。

このような会計処理をすることを減損会計と言い、勿論、価値が著しく下落しているかどうかの判定は対象銘柄に時価があるかどうかで異なり、その処理方法も違ってきます。

時価がある株式や債券については、回復する見込みがあると認められる場合、貸借対照表に時価を記載し評価差額は当期損失として評価します。

時価のない株式の場合は、発行会社の財政状態の悪化などにより実質的な価額が著しく低くなった時は、相当の減額をして評価差額を当期損失とします。

同じく、時価のない債券の場合は償却原価を適用します。
債権の貸倒れ見積もり高の算定方法に準じた計算をして償還不能となる額を算出し、減損会計処理を行うようになります。

有価証券は所有目的や時価があるかによって、減損会計とする場合やその処理方法も異なりますので担当者は注意が必要です。

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