証券会社を使って株や為替の取引を行うトレーダーは、国内各社の格付けが気になるものです。
格付け会社にも外資系と国内系がありますが、一覧を見てみると、国内大手の証券会社に関する限りは内外の格付機関ともに、ほぼAランクに収まっており、外資も国内の格付け会社も同様のレベルの評価をしているためほとんど心配はない状態です。
中堅のネット専業などの各社はBBBクラスが多いものの、全般的には殆ど問題のないレベルのレーティングを獲得しています。
国内証券各社はこれまでにもかなり厳しい経済環境を潜り抜けてきているので、ここ数年の欧州のソブリンリスク状態に直面している現地の金融各社に比べれば、財政状態や資本状態はかなり良好であると考えて良いと思われます。
ただ、各社ともに国際化が急速にはかられることになるはずで、アジア圏への進出などもあり、よりグローバル化が進んでいくためにリスクヘッジを含めたマネジメントレベルの向上が期待されるところです。
特に新興国系への進出が進むと思わぬ政治的、経済的な事態に遭遇することも考えられるため、今後のレーティングの確保には一層の努力が必要になってくるものと思われます。
幸いなことに国内の証券市場は再活性化の時期を迎えていますので、このタイミングでさらに資本力を増強して、それをレバレッジにした海外展開をはかり、リスクの少ない企業体質を確立できるようになってもらえることを期待したいところです。