マンションなどの不動産を所有している人が賃料収入を得るというのは比較的イメージしやすいと思いますが、直接貸すとなった場合には管理をする手間やコスト面から個人で行うのは大変です。
そこで最近では、マンションなどを信託銀行などに信託し、管理なども委託して賃料収入から管理費や維持費などの経費や信託報酬を差し引いた後の配当を受け取る方式が増えています。
その時にマンションを信託する代わりに受ける配当などの権利のことが信託受益権と呼ばれており、こうした権利は売買を行うことも可能です。
取引の形態にはいくつかのパターンがありますが、信託を継続する前提で受益権を購入する場合には不動産取得税がかからず、その他の登記などのコストも実物不動産よりも割安となっています。
また、信託を継続しないケースでは、信託解除をすれば実物不動産を保有することが可能ですが、信託解除を行なった時点で不動産取得税などが必要です。
こうした信託受益権は、平成19年9月に施行された金融商品取引法によりみなし有価証券として取り扱われるようになりました。
それによって、これまでは信託業法によって規制されていた信託受益権ですが金融商品取引法によって規制される金融商品となり、この募集には第二種金融商品取引業としての登録が必要です。
このようにみなし有価証券として取り扱われるようになっている信託受益権は、個人の利用だけでなく不動産ファンドなどにも広く組み込まれている金融商品だと言えます。