有価証券評価損について説明する前に、有価証券について簡単に述べます。
有価証券とは、証券そのものに価値があり売買されるもので、株券・債券といったものがそれにあたります。
厳密には、金融商品取引法で株券・債券・投資信託・貸付信託・金銭信託等の受益証券が有価証券として定められています。
有価証券には個人保有と法人保有とがありますが、取得した価格より高くなれば利益が得られ、取得した価格より低くなれば損失となるという図式には違いがありません。
そして、個人の場合なら損益を税務申告により申告すれば税金の計算に利用されます。
同様に、法人が保有する有価証券の損益は、有価証券評価益または有価証券評価損として計上すれば税金の計算に反映されます。
それでは、どの様なケースで有価証券評価損として認められ、損金算入が可能となるのでしょうか。
有価証券評価損として認められるわかり易い例は、保有している有価証券の価格が購入時の価格、即ち帳簿価額を下回った場合で、買った時点の価格より下がった訳ですから当然の結論です。
次に、保有している証券の発行企業が業績悪化により会社更生法を申請した為、帳簿価額が下落してしまった、これも損金算入が可能な例になります。
このように、評価損として認められ損金算入が可能な場合というのは、基本的に証券を保有する法人の責任範囲外で証券の価格が低下した時という事になります。
尚、実際に評価損として認められるかどうかはケースバイケースなので、専門家と相談した方が正しい対処が出来るでしょう。