有価証券処分信託とは、保有する関係会社の株式を安全に売却するために契約するものです

有価証券
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有価証券処分信託とは、有価証券信託のうち証券の処分を目的とするものです。
上場企業やその役員などが、保有する関係会社の株式を直接市場で売却しようとする場合、インサイダー取引に抵触してしまったり、一度に大量の株式を売却することで市場価格が変動してしまい不利な価格での売却をしなければならないことがあります。

ここで、信託銀行に対して有価証券処分信託を契約することで、こういった問題を回避しつつ、安全に保有する証券を売却することができるのです。

信託銀行においては、信託設定後、委託者に発生しうる信託有価証券についてのインサイダー情報から隔離し、信託期間中に信託銀行の裁量によって信託有価証券の処分を行います。

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この時、明確なチャイニーズウォールを構築することとなります。
チャイニーズウォールとは、インサイダー取引などを防ぐために、営業部門と売買執行部門を人的、物理的に切り離したり、管理体制を徹底することにより、情報隔離を築く措置のことです。

また、信託有価証券を売却する際に、価格にできるだけ影響を与えないように市場の出来高を勘案しつつ、売却処分を行います。
委託者は信託を設定する際に、最低売却希望価格を設定することができるので、望まない価格での売却を防ぐことが可能です。

ただし、信託期間中にすべての信託有価証券を処分できるとは限らず、信託期間中に発生した利益や損失はすべて委託者に帰属し、元本保証はありません。

また、手数料として信託報酬や証券会社への委託手数料を支払う必要があり、これは原則として信託財産の中から引き落とされることとなります。

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