一口に有価証券といっても、株式を公開している企業の株式や公開していない企業の株式、公社債、MMFなどの短期ファンドまで様々なものあります。
企業の資産には、流動資産と固定資産という分類がなされていて、そのうち流動資産とは、取引上で流れやすい、つまり、流通しやすい資産を指しています。
そして、最も流通しやすいものというのは、現金です。
現金は流動性が最も高い資産であるとともに、他の資産の現金化しやすさの基準ともなっています。
これに対して、現金化しにくい資産を固定資産と呼んでいます。
これについて有価証券は、貸借対照表上、流動資産の部と固定資産の部に分かれて記述されており、MMFなどの短期ファンドでは、預け入れてから1か月が経過すると自由に解約して現金化することが可能です。
また、現金化に関しても価値が目減りすることは少ないのが短期ファンドの特徴なので、そういう点でも流動性が高い資産といえます。
他方、株式や債券では、比較的長い期間保有することになる上、時価の変動が大きいという特徴があるために、会計上では固定資産として評価されています。
また、株式や債券には、時価のあるものだけではなく、時価のないものもあります。
時価のないものは、非公開企業の株式への投資がその典型で、これに対して、公開企業の株式や公社債などはどれも時価のあるものと評価されています。
有報をみれば、取得原価すなわち帳簿上の価額から、貸借対照表上の計上額すなわち時価を差し引くと、資産運用がうまくできているかどうかがある程度判断できるのです。