有価証券に関連して、営業投資有価証券というものがあります。
これは、主として投資を業としている企業が使う言葉です。
投資に関してはいろいろな商品がありますが、たとえば株式をここではとりあげておきましょう。
投資を業としていない企業が株式を売却する場合には、一般に、損益だけが損益計算書の営業外損益の欄または特別損益の欄に計上されることになります。
つまり、このような企業の場合では、株式の売却損益に関しては、収入から原価を差し引いた正味の金額を対象にするのです。
これに対して、投資を業としている企業においては、株式自体が本業に関連した重要な商品となるわけですから、その売却は当然、表面的な収入であるグロスで計上されることになります。
たとえば、5億円の株式を保有している場合に、これが6億円で売却できたとしましょう。
この場合、本業が投資業でない企業の場合には、通常の有価証券や投資有価証券という項目を使い、売上は0億円で利益が1億円ということになります。
これに対して、投資業を営む企業においては、営業投資有価証券という形で、売上が5億円で利益が1億円ということになるのです。
上記でも触れましたが、投資を業とする企業においては、有価証券は売り物としての商品ですから、これが資産に計上されているということは、一般の企業における在庫があるということを表しています。
つまり、営業投資有価証券とは、投資業を営む企業にとっては、いわゆる「在庫」となるのです。