法人が有価証券を保有している場合に、時価または実質的な価格が著しく下落する場合もあり、回復を見込むことができない事態もあり得ます。
そのような場合には、帳簿の賃借対照表上額として、決算時に時価または実質価額を強制的に下落した値段まで切り下げを行い、切り下げた分を損失として損益計算書で処理する減損処理ができることになっています。
減損処理の対象となる有価証券はすべてではなく、売買目的以外の満期保有目的債券や子会社、関連会社株式、そのほかのものが含まれます。
これら売買目的以外のものは、時価で評価されないか、時価で評価が行われたとしても差額評価は損益計算上に計上されないことになっていますが、時価のあるものに関しては、何らかの事情で時価が著しく下落して、しかも回復する見込みがないと判断されたものについては、対象となります。
時価が著しく下落しても、その後回復する見込みがあるものについては対象とはなりません。
つまり、有価証券の減損処理をする場合には、著しく時価が下落しているのかということと、回復の見込みはあるのかないのかという2つの評価を行うことになります。
時価が取得価額よりも50%以上下落した場合には、著しく下落したと判断され、この場合には、下落が一時的なものであり1年以内に時価が取得した水準まで回復することを合理的に示すものがない限り、回復の見込みもないと判断されるのです。
取得価額から30%から50%下落した場合には、下落率だけみて著しく下落し他ということはできず、個々の企業の時価を判断する合理的な基準を設けてその基準から判断されます。