不動産は、便宜上、居住用不動産と収益不動産に分けることができます。
ただし、その構造等に差があるわけでなく、使われ方に差があるということです。
つまり居住用不動産とは、所有者自身が使用(居住)するための不動産で、収益不動産とは、所有者が誰かに賃貸して利益を得ようとする物件です。
収益不動産には一棟もののアパートやマンション全体も含まれますが、これら集合住宅全体に住む人はいないでしょうから、これら集合住宅は、一部(区分所有や賃貸兼用住宅など)を除き住居用の不動産にはなり得ません。
居住用不動産と収益不動産は、購入する際には、ローンの判断基準と利率が違ってきます。
居住用不動産へのローンは、購入者の年収等の属性が重視されるのに対し、収益不動産へのローンは、その収益不動産の賃貸を事業としてみた場合の収益性が注目されます。
結果、居住用不動産のほうがローンを引きやすく、また利率も安く、お得に借りられるのです。
ここで考えるのは、冒頭で述べたように、居住用不動産と収益不動産に構造的に差はないので、戸建や区分所有マンションを居住用として住宅ローンを引いて購入し、その後収益不動産として運用してはどうかということです。
しかし、これは住宅ローンの条件に反するので、金融機関から一括返済を求められることがあるため注意が必要です。
実際は、居住不動産が収益不動産に転用された経緯が正当なら(転勤など)、黙認される場合も多いようですが、最初からそのつもりで住宅ローンで購入するのはやめましょう。
収益性を金融機関に判断してもらう意味もあり、きちんと事業用ローンとして買うのが正当な収益不動産の買い方です。