2007年4月に、三井物産が国内初となる船舶投資ファンドを設立しました。
このファンドは、シンガポール政府が船舶ファイナンスの振興を目的として実地している優遇税制を利用して設立され、また、新しい船舶保有方法の必要性が高まったのも船舶投資が注目される理由でもあります。
船舶投資ファンドのリスクは、他のファンド商品と比較して高いです。
傭船(チャーター船)の変動リスクがあります。
船舶の傭船方法には、10年前後の一定期間貸し出す定期傭船と短期間に日建て料金で貸すスポット傭船があり、定期傭船は安定した収益が見込めますが、運賃市況が高騰しても利益が増加しません。
スポット傭船は、運賃低迷も高騰も市況の変動を受けます。
ファンドは、傭船方法の割合を調整することでリスクを抑えます。
船舶の実働年数は20年程度で、売船が必要になります。
船価はボラティリティが高く、ファンドで最大のリスクになります。
定期船の場合、傭船者の意向にもよりますが、売船は傭船契約終了時です。
一方、スポット傭船はいつでも売船できます。
船を保有して傭船料を稼ぐか、売船で含み益を確定するかの選択をして利益を確保しますが、含み損の場合がリスクです。
船舶投資ファンドは、海運業界では新たな船舶保有者として期待されています。
ボラティリティの高さとリスクヘッジに手段がないことから、敬遠されやすいのが難点ですが、しかし、ヘッジ手段の拡充も期待できるので今後の成長が楽しみなファンドです。