為替先物取引は、為替レートの変動による影響を考慮し為替差損が生じるリスクをヘッジするための取引で、将来の一定時期においての為替レートを現時点で決めてしまうという取引です。
為替先物取引は、特に海外に物品を輸出する企業で重宝されています。
例えば、現在の為替レートが1ドル100円だとした時に、1年後に100ドル分の物品を輸出する契約を企業が締結したとします。
現時点ですぐに100ドルを円転すれば10000円の収益を得る事が出来ますが、肝心のドルは1年後まで入ってきません。
従って、ドルを円転するのは1年後という事になるわけですが、1年後の為替レートが100円であるという保証はありません。
仮に1年後の為替レートが1ドル110円になっていれば、11000円になりますので1000円得する事になりますが、仮に90円になっていたとすると、9000円となってしまい輸出企業は1000円の損失を被る事になります。
こうした為替変動リスクをヘッジするために用いられるのが為替先物取引です。
為替先物において、1年後に1ドル100円で売るという契約を現時点で取り交わしておくことにより、企業は1年後に10000円の収益を得るという事を固定させることが出来るのです。
勿論、為替レートを固定するという事は、潜在的なアップサイド(為替レートが上昇した場合に得る事の出来る利益)を放棄する事にもなりますが、少なくとも輸出企業は為替レートの変動に一喜一憂する必要はなくなるのです。