日本には大手証券会社と呼ばれる会社が5社あります。
野村證券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券、みずほ証券の五社がこれにあたります。
そのうち、野村證券、大和証券、SMBC日興証券の3社は三大証券会社と呼ばれています。
これらの会社は日本の証券市場の中心を担ってきた会社ですが、最近になってその評判を落としています。
三大証券会社の評判が落ちた最大の理由としては、増資インサイダー問題が挙げられます。
企業は増資をしようとするときに証券会社と共同で株式発行事務を行いますが、この際に証券会社が企業の増資情報を漏らすことは金融商品取引法で禁じられています。
なぜなら、企業が増資を決定すれば、株式の希薄化を引き起こし、株式価値が下がることになるからです。
従って、企業が増資を発表すれば、その企業の株価は下落するのが通常です。
つまり、事前に増資情報を知っていればその企業の株を空売りして利益を狙うことができるのです。
そして、この増資情報を三大証券会社が事前に顧客に漏えいした事件が相次いで発生しました。
これが増資インサイダー問題です。
この増資インサイダー問題によって最大手の野村証券は金融庁から行政処分を受け、また、代表取締役が辞任するまでに至り、SMBC日興証券も役員の辞任を余儀なくされ、大和証券も行政処分を受けました。
日本の証券市場を常にリードしてきたこれらの会社が不正を犯していたことは日本社会に大きな衝撃を与えました。