証券会社の収益モデルはここ10年の間に大きく変化しました。
収益モデルが変化した最大の理由は、委託手数料の自由化や新規参入条件の大幅緩和といった金融ビッグバンによるものです。
また、インターネットの普及やその他インフラ技術の革新も、収益モデルの変化の大きな要因となっています。
最近の証券会社の主な収益源の内訳は、①委託手数料(約34%)、②引受・売出手数料(約6%)、③募集・売出手数料(約13%)、④その他手数料(約47%)となっています。
一方、10年前の収益源は、①委託手数料(56%)、②引受・売出手数料(約13%)、③募集・売出手数料(約13%)、④その他手数料(約18%)となっていましたので、それと比較すると、委託手数料が大きく減少した一方、その他手数料等が大幅に増加したという収益モデルの変化が見て取れます。
委託手数料が大幅に減少した理由は、自己判断に基いて取引を行う人が増加した事が挙げられます。
一昔前までは、企業や富裕層は証券会社にお金を預け、その具体的運用はプロの専門家に任せるというのが一般的だったのですが、証券取引の知識・スキルの普及を受け、業者に運用を任せずに自身で運用する人が増加したのです。
今ではわざわざ店頭に出向かなくても、インターネットや携帯電話等を使えば誰でも簡単に取引を行う事が可能であり、そうしたインフラの整備・拡充も、こうした傾向を後押ししていると考えられています。