リコーの株価の推移と今後の予想をしていくにあたって、2つの視点から見ていくこととします。
1つ目は、チャートを使ったテクニカル分析です。
まず、過去10年間を見てみますと、2007年に高値約3,000円をつけた後、リーマンショックにより大きく下がっています。
しかし、今現在はリーマンショックの安値をさらに下回ってしまっている状態です。
つまり、チャートから言えることは、長期下方トレンドに入っていると見ることができます。
現在約600円の株価が戻っていくには、日本経済の回復と業績アップが必須条件になるでしょう。
2つ目の視点は、業界の市場を見ていくファンダメンタルズ分析です。
こちらも、OA機器の業界は非常に厳しい状況だと言えます。
なぜなら、成熟市場ということもありますが、コピー機の単価(カウンター料金)がどんどん安くなっているからです。
カウンター料金とは、1枚刷ったらいくらというもので、例えば、コンビニのコピー機を考えれば分かりやすいでしょう。
コンビニでは白黒10円、フルカラー50円ですが、今や企業に設置しているコピー機は白黒1円、カラー10円という状況です。
このカウンター料金は、そっくりそのまま収益となります。
数年前では、企業に設置しているコピー機は、白黒5円、フルカラー30円程度でした。
このことから考えても、収益が大幅に減っていることは容易に連想できます。
一度下がったカウンター料金は上がっていくことは考えにくいので、今後はITをもっと絡めていく必要があるでしょう。
画期的な商材が出て、売上が伸びない限り業績回復は難しいと考えられます。
この2点から、今後の株価は横ばいかジリジリ下がっていくと予想します。