日常的な取引においては、購入者は商品の代金を支払って商品を受け取り、販売者は金銭を受領して商品を引き渡すことで成り立っています。
これを現物取り引きと言い、その対義語として先物取り引きと言う言葉があります。
これには、農産物や原油、石炭などの資源を対象とする商品先物、金融商品や金利などを対象とする金融先物、その他に国債や株価指数を対象とするものまで、その種類は沢山あります。
日本では、単に先物取り引きと言うと慣例的に商品先物を指し、デリバティブと言うと金融先物を指して言う場合が多くなっています。
現在の先物取り引きは、売買の当事者が任意に将来の期日を決めて現物を受け渡しすることを約束する契約より、市場が期日を決め、期日までに反対売買をしてその差金を決済する方法が主流となっています。
期間内であればいつでも売買ができ、期限になれば自動的に決済されて損益が確定します。
買い付けた、あるいは売りつけた時点の先物価格と決済時点での先物価格の差額のみの受け渡しを行う決済方法を差金決済と言い、売買によって生じた損益のみの受け渡しを行うといった特徴があります。
これらの点で、長期的に保有し値上がり益を狙う株式投資とは違いがあります。
決済方法も、売買の都度代金を受け渡しする点でも相違があります。
株式投資の信用取引と似た制度ですが、証拠金と呼ばれる担保を差し入れて取引する点も異なります。
信用取引では証拠金の約3倍の取引を行うのに対し、先物取り引きでは数十倍の取引ができる仕組みになっています。
同じ投資でも株式とはいくつかの相違点があり、特殊な取引と言うことができます。