冬を迎える時期になると、決まって灯油価格が話題に昇ります。
また、ここ数年でガソリン価格が1年間でリッターあたり10円以上も上がっています。
価格上昇の原因は原油価格の高騰の場合が多く、限りある資源であることから、供給不足に陥ったり、石油権利を巡る中東の政治情勢に加え、投機資金の対象になりやすいといった理由も考えられます。
また、石油先物取引価格の上昇も店頭での石油売買価格に影響を及ぼします。
先物取引とは、実際に現物を取り扱わずに、将来の一定の期日に時価とは関係なく予め取り決めて置いた価格で売買する取引を指します。
石油やガソリンの原料である原油の先物取引市場は東京商品取引所で取引されており、世界では消費地ごとにアジア、北米、欧州に3市場が形成されています。
昨年の11月にニューヨーク原油市場が久しぶりに急落し、ニューヨーク石油先物取引で1バレル74ドル台前半に値をつけたことが報じられました。
需要の低迷が見込まれる一方で生産が増え、、供給過剰となる懸念からの下落との見方が専らです。
このように石油先物取引においては、原油価格の動向が鍵を握っていると言えます。
また、石油先物取引における価格は現物の取引市場と連動し、東京商品取引所に参加する業者の思惑が入り乱れて値動きに変動が生じます。
従って、現物市場よりも安い価格で仕入ができるチャンスがあり、石油先物市場に参加してガソリンや灯油などの調達が可能になります。
また、最大で6カ月先までの契約が可能なことと、現物市場と反対の取引を先物市場で行うことで価格変動リスクを避けることができる点もメリットと言えます。