海外メーカーとの激しい液晶パネルの競争による価格の下落と、国内の液晶テレビなどの販売の鈍化などにより、液晶事業に多くの投資を行ってきたシャープの株価は2012年10月12日に142円まで下落し、非常に厳しい状況を迎えていました。
しかし、首都圏のビルの売却、人員削減や賃金カットなどのリストラ策に加えて、アップルのiPhone向けの液晶の受注を受けた2013年夏以降は工場の稼働率が向上します。
また、携帯電話の契約者数が7億6,000万人を超える世界最大の携帯電話事業者である中国移動通信でもiPhoneの販売が開始され、液晶販売の拡大期待が広がり値上がりしはじめました。
2014年2月4日に発表した、2013年4月から12月の2014年第3四半期の累計の営業損益は、前年同期が1,662億円の赤字だったのに対して814億円の黒字に転換されています。
2013年10月から12月期の連結営業利益も前年同期比18倍の476億円と急拡大し、業績が改善に向かいました。
液晶に関しては「IGZO」と呼ばれる低消費電力と、これまでの液晶に比べて早く電流が流れる特徴を活かした画面の明るさの向上、トランジスタの小型化によりスマートフォンのスリム化が出来るなど優れた液晶も誕生しました。
この売れ行きは好調で、シャープの救世主と言われることもあるほどです。
このように、液晶パネルにより苦境に立たされたシャープですが、この苦境から新たな液晶技術によって復活を遂げようとしており、株価も2014年2月現在では300円台まで回復してきています。