企業の業績を調べる上で重要なものの一つに有価証券が挙げられます。
有価証券とは財産的権利を表示した印刷券で、その権利の移転または行使に必要とされる証券のことを言います。
この有価証券の評価基準には原価法と低価法があり、原価法は購入した価格で貸借対照表に計上する方法で、低価法は原価法で計上した価格と有価証券の期末の時価のいずれか低い方を計算に反映させる方法です。
また、有価証券の種類は、利益を得る目的の売買目的有価証券、満期まで保有することを目的とした債権の満期保有目的の債券、子会社の株式や関連会社株式といったものがあります。
評価基準も売買目的の場合は時価、満期保有目的の債券は償却原価、子会社株式等の有価証券は取得原価等とされており、それぞれ差額の取り扱い方法も決められています。
さらに、有価証券の時価が取得価格の50%以上下落した場合等、著しく下落して回復が見込めない時や時価の無い有価証券については、時価に評価替え及び決算書に基づき算定した実質価格での評価替えの検討が必要です。
取得原価の評価法は、期首の有価証券と期中に取得した有価証券の取得価格の合計額を株数で割って平均単価とする総平均法と、取得毎に平均単価を出し、払出単価としていく移動平均法の二つがあり、評価額を計上する上で用いられています。
有価証券の評価は、取得の目的によってこうした違いが見られると共に基準や方法もそれぞれ分かれており、投資の際には注目すべき項目の一つと言えるでしょう。