西欧のドイツにおいては有価証券取引法という法律が法整備されていますが、現在、日本の法律にはそういった名称の規程は存在していません。
有価証券の発行、売買及び取引などに関する法律は、金融商品取引法の中で扱われています。
平成19年以前は証券取引法が有価証券取引法の役目を負いました。
金融商品取引法が制定された背景には、金融、資本市場の環境の変化、それに伴って登場した幅広い金融商品についての法律の制定が望まれていたことがあります。
近年は景気低迷の影響もあり、利息の少ない預貯金だけに止まらず、株式投資、投資信託、金融先物取引などハイリスクハイリターンの金融商品に着目して資産運用を図る人々が増えたこともあります。
また、IT技術の進歩やパソコンの普及により、デリバティブ取引やスワップ取引など多様な取引スタイルに変化しています。
一部の新しい金融商品では従前の証券取引法では対象とならない場合もあり、被害が発生した際の対応が十分でない例も発生し社会問題ともなっていました。
そこで、規制の枠からはみ出した隙間を埋めて、より投資家の保護を目指すという観点から、幅広く金融商品をカバーする金融商品取引法の制定が行われたのです。
それによって、消費者と投資家の保護、そのルールを徹底することや利用者の利便性の向上が図られました。
現行の金融商品取引法は、国債、株式、投資信託など有価証券に関する法律でもあり、有価証券取引法の意味合いの深い法律と言うことが出来ます。