手形や小切手、株券などに代表される有価証券ですが、一定の財産的権利を表示している証券類の総称で、その権利の種類によって区分があります。
企業は、年度末に資産、負債、純資産などの財政状態を示す決算書として貸借対照表を作成します。
この貸借対照表において、固定資産の部、投資等の内訳として分類される科目に投資有価証券があり、これには、長期保有目的の債券、市場性がない子会社や関係会社の株式、親会社や取引先の株式、持合い株などのその他有価証券も含まれます。
有価証券の評価額が取得金額を下回った場合、それに伴う損失を有価証券評価損と言います。
評価損として認められる場合の法規定があり、投資有価証券評価損として計上する場合もその規定により行います。
金融商品会計に関して実務指針には、売買する目的で有価証券以外の金融資産のうち、時価のあるものについては時価が「著しく下落した場合」は、回復するという見解が認められる場合を除いて、投資有価証券評価損として減損処理を行うべきと示されています。
時価が取得した原価に比べ50%を超えて下落した場合は、この「著しく下落」に該当します。
又、その下落率が30~50%未満については、状況に応じ企業において一定の形式基準を設けて、回復可能性判定の判断をするものとされています。
その場合、監査法人から基準の合理性についてチェックを受け、継続的に使用するなどの条件もありますが、従前のように有税で現損処理を行なっていた場合と比べて対応がしやすくなりました。
なお、30%未満のケースは、投資有価証券評価損としての処理は不要です。