有価証券報告書は、金融商品取引法で規定される、事業年度ごとに作成する企業内容を外部へ公表する開示資料の事で、略して有報と呼ばれる事もあります。
この報告書は、投資家保護の観点から証券取引法に基づき、有価証券の発行会社が金融庁へ提出する物です。
投資するなら、企業の性質や特性、具体的な数値を分析する為に、有価証券報告書を読む事が必要になります。
なぜなら、企業の内情を示す重要な情報(財務諸表や株主情報、戦略方針)が全て載っているからです。
報告書を閲覧するには、インターネットを使って、EDINETというページで株式を公開している会社の報告書が見られます。
提出が義務付けられているのは、有価証券を発行する企業の一部・二部上場会社、店頭登録会社、上場外国会社、有価証券所有者が千人以上の会社、有価証券の募集・売り出しにあたり、有価証券届出書又は発行登録追補書類を提出した企業です。
例外に、情報の開示で非上場企業でも報告書が使われる場合もあります。
それは、飲料メーカーで有名なサントリーです。
2013年に非上場である同社の下で、子会社(サントリー食品)が上場すると発表しました。
その目的は、海外でM&A(企業買収・合併)を仕掛ける資金調達です。
過去に、西武グループ創業家が会社設立した資産管理会社を業務とする非上場企業であるコクドが、子会社で上場をしていた西武鉄道の会社の株に関して保有株数を過少に申告をして摘発された証券取引法違反事件がありました。
その為、良いイメージが無いので投資家には敬遠されています。
そこでサントリーは、敬遠されない為に、情報を公開する目的で有価証券報告書を開示しているのです。