企業は、株式や債券など様々な有価証券を保有し、その目的は値上がり益や継続的な利息を得るなどの利殖目的だったり、企業支配目的の為に子会社や関連会社の株式を取得している場合があります。
その保有する目的別に評価方法も異なっていて、売買目的の有価証券の場合は、投資活動の成果を決算書に表示する為に期末時点での時価で評価します。
このほかに時価評価が必要なものには、取引関係の安定化の為に保有する持ち合い株や、満期まで所有意志のない債券など、その他有価証券に分類されるものが該当します。
これらは保有目的が漠然としていて売却の時期も明確でない為、会計処理上決算時点の処分価値を明らかにする必要があり、時価で評価することになるのです。
満期保有目的、子会社や関連会社の持ち株がある場合は取得原価で評価します。
なぜなら、子会社や関連会社に対する支配が目的であったり、営業上の影響を与えることを目的とするので、短期間での売却を想定するものではなく、時価評価して損益を計上する意味がない為です。
市場価格があって時価が算定できるものであっても、期末時点での時価で評価することはありません。
但し注意点として、有価証券の時価が取得価額の50%以上下落したり、その回復に見込みがないと認められる場合には、評価替えして時価評価としなければなりません。
決算にあたっては、その保有目的によって評価方法も異なり、場合によっては評価替えするなどの措置が必要なので注意しましょう。