株式や債券などの有価証券は、市場すなわち証券取引所の売買時点における時価、つまり市場価格を基準にして売買されるのが原則です。
そこで、決算時に所有する証券の本来の価値を帳簿に記録するために、帳簿価格と時価が異なる場合は、その帳簿価格を時価に修正する必要があります。
これを、有価証券の評価替えと言います。
その際、評価替えの対象となる売買目的証券勘定を減額または増額し、その結果で生じる差額を証券評価損勘定または証券評価益勘定で処理します。
なお、この評価替えを認める基準を、時価法または時価基準と言い、帳簿価格よりも時価が値下がりした時は、その分だけ売買目的証券勘定の貸し方に記入して減少させるとともに、証券評価勘定勘定の借り方に記入します。
逆に、帳簿価格よりも時価が値上がりした時は、その分だけ売買目的証券勘定の借り方に記入して増加させるとともに、評価損勘定の借り方に記入します。
そしてその評価の変更が行われたら、決算整理を行います。
決算整理とは、適正な損益計算を行うために必要な処理であり、企業にとって重要な手続きのひとつです。
決算は、総勘定元帳の勘定の記録に基づいて行われます。
この勘定の記録の中身として、決算日現在の実際の有高などの記録が不正確な場合もあります。
そこで、これらの勘定を整理して、正しい金額を示すように修正しなければなりません。
そのための決算整理に必要なのが、株券など有価証券の正しい評価なのです。