有価証券報告書の虚偽記載について

有価証券
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主として投資家の投資データとなる有価証券報告書は、その記載の正確さが命となります。
有価証券報告書は略して有報といいますが、この有報を提出すべき義務のある企業は、事業年度が終了した後3か月以内に提出しなければなりません。

ところで、有報に間違った記載があった場合には、どのような処理となるのでしょうか。
まず、記載漏れや不十分な記載、重要な事項に関する虚偽記載があった場合には、企業側の自発的な訂正が必要となります。

その場合には、金融庁が訂正報告書の提出を当該企業に命じることになるのです。
特に、重要な部分の訂正に関しては、訂正報告書とともに訂正の公告をすべき義務が課せられています。

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そして、公告方法としては、電子公告または日刊新聞への公告があります。
また、有報などに虚偽記載があった場合には、提出企業は、有報などの継続開示書類に基づいて、募集または売出によらないで有価証券を取得した者に対して、損害賠償責任を負うことになります。

しかも、この責任は無過失責任なので、投資家は当該企業の虚偽記載に関する立証責任を免れるとともに、損害賠償責任を負いたくない企業側が、表示に虚偽がなかった旨の立証をしたとしても免責はされません。

もっとも、有報に重要な虚偽の記載があることを知っていた悪意の投資家に関しては適用されません。
この損害賠償責任は連帯責任で、連帯して責任を負うものには、役員、公認会計士、監査法人が対象となります。

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