有価証券評価差額とは、保有する有価証券の前期会計年度末時点の時価と、当期会計年度末時点の時価の差額の事を指します。
例えば、前期末の時価が100円であった有価証券の当期末時価が120円だった場合は評価差額はプラス20円となり、逆に当期末時価が80円だった場合は評価差額はマイナス20円という事になるのです。
この有価証券評価差額は、決算の際に財務諸表に反映する必要があり、その反映方法は保有している有価証券の種類によって異なります。
値上がり益を得る事を目的として保有する有価証券である売買目的有価証券の場合では、差額は発生の都度、損益計算書に当期の損益として計上します。
例えば、100円の有価証券が保有1年後に120円となり、その更に1年後に90円となった場合は、1年目に20円の利益を計上し、2年目に30円の損失をそれぞれ計上する必要があるのです。
次に、債券の満期日まで保有する目的で保有する証券である満期保有目的証券については、評価差額は貸借対照表にも損益計算書にも計上する必要はありません。
満期保有目的証券は、いずれにせよ満期日まで保有するものなので、期中における時価の変動をあまり考慮する必要が無いためです。
最後に、その他有価証券についてですが、評価差額は毎期計上する必要があります。
但し、計上する場所は売買目的有価証券とは違って損益計算書ではなく、貸借対照表上の資本の部に計上する事になります。