最近は、ワンルームマンション投資などの広告をよく見かけます。
不動産投資は戦後長い間、資金の振り分け場所のひとつでした。
多くの人が長期のローンを組んで自宅を購入し、株を買い、保険に加入していました。
そうすることで、確実に資産を増やすことができたのですが、近年では少し状況が変わってきたようです。
自宅として居住するのに不動産を購入する場合は悪くないかもしれませんが、マンションを購入して家賃収入を見込むのには落とし穴もあると言えるでしょう。
頭金はたったの10万円で立地のいいマンションを購入し、長期ローンを組んで支払いをしていき、支払われた家賃の中からローンを返済していくので、オーナーには負担はないと言われ、家賃は不動産会社によって保証されているケースも多いようです。
ただし、これにはいくつかの要素が半永久的に続くことを前提としなければなりません。
家賃からローンを返済するとすれば、家賃収入がずっと同額か増えていく必要があります。
しかし、マンションは建ってからずっと劣化し続けていくものです。
10年、20年と経った時に、増えるどころか当初と同じ額の家賃収入が見込めるでしょうか。
ローンを組んでいるのですから、購入者の収入も長期に渡って安定していることが前提になります。
また、購入額が大きいために、仮に同じ家賃を取り続けることができても、損益分岐点に到達するのがずっと先のことである点も気になるところです。
例えば、現金一括で2400万円のマンションを購入して月10万円の家賃で貸すことができても、2400万円に到達するのは20年後となります。
その時点で売却できたとしても、中古物件に幾らの値がつくのかはわかりませんし、当初の購入時点で必要とされる諸費用や売却時の費用、税金や不動産管理会社への毎月の管理費なども相当な額になるのです。
不動産投資で儲けを出すのは、そう簡単なことではないと言えます。