穀物先物取引の歴史と現状について

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商品先物という言葉を聞いたことはあると思いますが、どんな取引をするのか説明が難しいと感じる人も多いでしょう。
代表的な商品として米があります。
武士が存在した時代は給料として米が支払われ、必要な物は米を売って金銭に変えるしかありませんでした。
その値段は需給関係で決定しますので、凶作の年には高騰し、豊作時には暴落を繰り返し安心して暮らすことができない状況でした。

そこで、米の値段を収穫前に決めておけば、作柄を気にすることなく事前に取り決めた価格で売買ができると考えたのが、現在の先物取引の始まりです。

日本に限らずアメリカにおいても穀物先物取引が商品先物市場のスタートで、シカゴがアメリカの先物取引の中心となったのも、穀物生産地帯であったことがあります。

先物と穀物は切り離しては考えられないことを裏付けるように、かつては東京穀物商品取引所が立会いを行なっていましたが、現在は大阪堂島商品取引所に米穀が、その他のトウモロコシ、大豆、小豆、粗糖は東京商品取引所に移管されています。

穀物先物取引においては必ずしも現物を売買する必要はなく、決済期限までに現物との反対売買でリスクを回避できるメリットがあります。
にも関わらず、日本の穀物先物市場においては、商社や農家など以外の一般の参加者が激減しているのが現状です。

法律の改正によって、取引を希望しない人への積極的な勧誘が規制されたことも一因で、この市場はもともと参加者に資産家が多いという歴史的背景がありましたが、新しいFXなどの市場に転出している可能性も否めません。

市場の流動性を高める観点からも、以前のような活発な穀物先物取引が行われることが望まれます。

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