英語による有価証券報告書の提出などが出来る英文開示制度の課題

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金融取引法によって提出が義務付けられている有価証券報告書などの開示書類ですが、その提出に代えて、公益又は投資者保護に欠けることがないと認められる場合には、英語で書かれた英文の書類を外国会社などが提出出来る制度を英文開示制度と言います。
その歴史はまだ浅く、平成17年12月1日からは外国株価指数連動型上場投資信託を対象として実施されたのが最初で、その後、平成20年6月1日からは、対象を外国会社などが発行する全ての有価証券に拡大されて、補足書類の軽減が図られました。

平成22年4月30日には米国の外国会社が外国会社報告書を提出しましたが、東証で上場している銘柄でも英文開示がされているのは2社のみと少数です。

その為、外国会社が日本市場に上場しやすい環境の整備と、投資者の投資機会の拡大のために英文開示制度の見直しが行われました。

その検討を行なっていたのが外国会社報告書等作成要領委員会で、英文開示の適用要件としては、使用言語が英語であること、外国の法令に基づいて開示されたものであることと、前提条件でもあった公益又は投資者保護に欠けることがないことが挙げられています。

また、すべて英文ではなく、要約の日本語による翻訳文が必要となる事項として多くの項目が指定されており、外国会社から見ると日本語が必要になってしまうのは利便性が削がれるでしょう。

そこで、英文開示の範囲を拡大する場合には英語での記載に統一するという議論もありますが、投資家の正しい理解を得るには慎重論も多く検討が進められています。

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