商法や刑法、法人税法などによって、有価証券の定義は異なります。
金融商品取引法上では、国債や地方債、特別法人の債券や社債券などの債券類がまず規定されています。
また、特別の法律により設立された法人の発行する出資証券や、各種法令による優先出資証券、新優先出資引受権証券、そして、通常の株券や新株予約券もそれにあたります。
続いて定められているのは、投資信託や各種の受益証券や法人が事業に必要な資金を調達するための約束手形のうち、内閣府令で定めるもので抵当証券法に規定されている抵当証券です。
外国もしくは外国の者が発行した先に規定されている証券や証書、外国の者の発行する証券や証書で7銀行業を営む者などの貸付債権を信託する信託の受益権や、これに類する権利のうち内閣府令で定めるものも含まれます。
その他、金融商品市場や外国の金融商品市場、店頭で取引するデリバティブにおけるオプションを表示する証券と証書、預託証券と証書や、政令で定める証券と証書と、これまで列挙した21項目が金融商品取引法では有価証券として規定されています。
これ以外では、直接的には該当しませんが法令上は同様の扱いを受ける「みなし有価証券」と呼ばれるものもあります。
先ほどの定義にあてはまりながらも券面が発行されていないものや、信託の受益権などです。
このように、金融商品取引法では原則として券面の発行された比較的流通性の高い伝統的な有価証券であると規定されていますが、券面の発行されていないものに関しても同様の扱いをすることがあります。