有価証券は主として「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社・関連会社株式」「その他有価証券」に分類されます。
このうち「売買目的有価証券」は、市場の需要と供給のバランスなどによって株式等の時価が変動することを利用し、その売買差額によって利益を得ることを目的として短期間保有をする株式等を指します。
一般に、売買目的有価証券を売却することによって利益が得られた場合には「有価証券売却益」を、売却によって損失を生じた場合には「有価証券売却損」を損益計算書に計上します。
また、売買目的有価証券は時価が非常に重要な要素になってくるので、決算時には帳簿価額をその際の時価に修正することによって、その価値を正しく把握できるようになります。
決算時の売買目的有価証券の時価が購入時よりも上がっている場合には「有価証券評価益」を計上し、下がっている場合には「有価証券評価損」を計上します。
ところが、売買目的有価証券では、この「有価証券売却益」「有価証券売却損」「有価証券評価益」「有価証券評価損」に、「受取配当金」「有価証券利息」を一まとめにして「有価証券運用損益」という項目で一括して表示をする場合があります。
これは、売買目的有価証券の売却による利益や損失も、決算時の時価評価による利益や損失も、利息や配当金も、全て企業が有価証券を運用した結果得られたものだという考え方に基づくものです。
会計上、勘定科目をどのように表示するかということは、その企業の判断に任せられています。
会計処理を行う際には、あらかじめその企業がどの勘定科目を用いているのかを確認すると良いでしょう。