有価証券売却益と投資有価証券売却益の違い

有価証券
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有価証券は「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社、関連会社株式」「その他有価証券」の4つに分類されます。
売買目的有価証券とは、有価証券の価値が時価によって変動することを利用して、その購入価額と売却価額との差によって売却益を得るために、短期的に保有する有価証券を指しています。

企業が保有する有価証券を売却して利益を得た場合、その有価証券が売買目的の有価証券であった場合には、その売却益を「有価証券売却益」として損益計算書の営業外収益に計上します。

それに対して、売買目的ではないその他の3種類の有価証券は「投資有価証券」と呼ばれており、これを売却した場合には、投資有価証券売却益を損益計算書の特別利益に計上します。

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売買目的有価証券の売却による利益は、企業の本業としての営業活動によって得られた利益ではないものの、投資活動という企業の経常的な活動によって得られた利益なので、営業外収益として損益計算書に計上し、経常利益に影響を与えることになるのです。

それに対して投資有価証券は、本来は売却によって利益を得るために保有しているものではないので、これを売却することは本業の営業活動にも、投資活動などの経常的な活動にも当たりません。

企業にとって、投資有価証券を売却することは滅多にない特別な行為であり、営業活動や経常的な投資活動には当たらないのです。
よって、投資有価証券の売却益は営業外収益ではなく特別利益という項目として損益計算書に計上し、税引前当期純利益に影響を与えることになります。

これは文字通り、滅多にない特別なことによってその時だけ得られた利益という性質のものだからです。
このように、有価証券の売却益は、その有価証券の保有目的によって会計上の処理が異なってきますので、処理を行う際には注意が必要です。

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