長期国債先物取引は、長期国債標準物を取引対象として債券先物取引です。
長期国債先物取引は東京証券取引所で1985年に取引が開始されたものであり、その歴史は我が国の先物取引の中では古い部類に入ります。
この取引は、実際に発行されている債券そのものを投資対象とするのではなく、東京証券取引所が取引の円滑化を図るために利率や償還期限などを標準化して設定した架空債券を対象として取引が行われます。
個別銘柄を取引対象としていないのは、取引対象を標準化することにより、個別銘柄の特有の事情に価格が左右される事無く、取引を円滑に行う事を可能とさせるためです。
標準化された架空債券は、償還期限10年でクーポンレートは6パーセントと設定されています。
最終決裁は受渡決裁となりますが、実際に現物の受渡しを行う場合は、取引最終日の翌日に先物売買価格と最終受渡し決裁価格の差額を授受した上で、受渡決裁価格に受渡し銘柄の交換比率(コンバージョン・ファクター)を乗じて計算された金額を決裁します。
この際、受渡しが可能となる銘柄は残存期間が7年以上11年未満の10年利付国債のみとなっています。
国債先物取引の売買単位は1億円単位となり、決裁による差金の受渡しは反対売買を行った翌営業日となり、尚、国債先物価格が激しく乱高下しないように、先物価格には値幅制限が設けられており、その幅は前営業日の清算値段から上下1円と定められています。