2008年に引き起こされたアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻によるリーマンショックは、日本経済にもその影響を与え、日経平均株価は一気に7,000円台を割り込み、金融関係の業績は落ち込みを見せました。
巨大な投資銀行であり証券会社であった企業が突然倒産したことで、世界的な金融危機に陥り不安感が高まりました。
賞与のカットや給与の支払いが遅滞したり、場合によっては勤務先の倒産や突然の解雇宣告に途方に暮れる労働者の姿が報道されました。
それから5年が経過し、2013年3月期に発表された国内大手の証券会社の決算は、5社とも好業績となっています。
政権交代後発表された経済政策アベノミクスを背景にした株高で株式などの売買が増え、その手数料収益が大幅に伸びたことに好調の理由があります。
大和証券グループは、同年1月から3月期の個人向け株式関連の収益が前年同期の2倍に拡大し、野村ホールディングスは最終収益が前期の約9.3倍の高水準を達成しています。
株式相場だけでなく為替相場における円安傾向もあり、SMBC日興証券も三井住友フィナンシャルグループの傘下に入ってからでは、最高の前期比2.3倍と言う数字を挙げています。
同様に、三菱UFJ証券ホールディングスが2.8倍の増加率で、みずほ証券も今期黒字に転換を果たしました。
また、インターネット証券各社の業績も好調で、9月期中間決算の発表によると、大手3社はいずれも純利益が上半期と比較して過去最高の数字を計上しました。
松井証券やカブドットコム証券、SBI証券の3社は、純利益のみならず売上高も揃って過去最高を記録し、益々個人の投資熱に拍車がかることが予想されます。