株式を上場している企業であれば提出が義務付けられている書類の中に、有価証券報告書があります。
これは金融商品取引法で規定されており、証券取引所に株式を公開している会社、店頭公開している会社、有価証券届出書提出会社、資本金5億円以上で5年間の中で株主が1000人以上のとなったことがある会社が提出を義務付けられているものです。
また、作成は各事業年度ごとに、年度が終わってから3か月以内に作成し提出を求められています。
なお、新聞業界には提出の義務がないことは案外知られていない事実となっています。
さらに、2004年6月からEDINETと呼ばれる電子開示システムへの提出が義務付けられ、紙面での提出ができなくなったのもその特徴の一つです。
有価証券報告書の中身は一般的に、企業の概況、事業、設備、経理等の各状況、監査報告書などがありますが、もちろんその中には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表も含まれます。
最近では、四半期ごとに全事業年度との変動分を開示する四半期報告書を合わせて発表している企業も多くあり、この報告書は、各社とも自社のホームページに広く開示しています。
この有価証券報告書への虚偽記載は、懲役刑まで設けられている重罪になっており、最悪の場合、上場廃止までに陥る可能性があるものです。
その場合、会社に対する市場の信頼も損なうことになりますので、作成に関しては細心の注意が必要です。