IFRS採用による有価証券の取り扱い方の変更について

有価証券
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IFRSとは、財務会計の処理や書類作成及びそれらで扱う会計の標準基準について、国際的な共通規定として定めた法則や基準の総称のことを指します。
こうした基準における特徴として、株式発行による資金調達や配当金支払いといった資本取引を除いた純資産の変動を、包括利益として公表することを狙いとした点があります。

こうした包括利益は、従来の日本基準で使われた期間ごとの損益を示す当期純利益のみを表記する方法と異なり、純利益に加えて純資産価値の増減を合わせた分を包括利益として扱っています。

この包括利益を使った会計基準によって影響を受ける事柄の1つとして、有価証券の取り扱い方の変貌があります。

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そもそも有価証券とは、日常的に使う商品券や図書券、さらに企業の株式や債券、手形などといった、私法上の財産権を認められた価値を持つ券や証券全般のことを指していて、これらの証券は、IFRSにおける会計基準において、その時点での公正価値を示した時価を持つ、資産負債の一部として判断されます。

そして、時価によって評価された証券の差額金は、包括利益の一部として加えられることとなるのです。
したがって、従来は会計計上される必須事項では無かった有価証券の価値が、IFRSでは時価として差額金が計上され、純利益にこれらの資産負債を加えたものが正式な純資産の変動として記されることになります。

これにより、株式持ち合いなどを行うと、従来は計上されなかった損益が計上されることになる、などの影響が及ぶことになるのです。

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